ヒュウガトウキと食物繊維
日常の健康維持には、とっても大事な食物繊維!
かつては、食べ物のカスとして重要とされていなかった『食物繊維』ですが、いまでは体に不可欠な栄養素として認められています。
食物繊維とは、植物性食品(海藻、キノコ、豆類、野菜、果物、穀物など)に含まれます。
しかし、日常の食生活において摂るのは意外と難しい事をご存知ですか?
ヒュウガトウキにはその『食物繊維』が100グラム中41.3gと豊富に含まれています。
食物繊維とは
食物繊維とは、『ヒトの酵素で消化されない植物細胞壁成分』をいい大きく分けて『不溶性』と『水溶性』があります。
これらは、それぞれにヒトの胃腸などに与える役割が違います。この食物繊維を多く含む有名な食物は『小麦ふすま』です。
古くは古代ギリシャ時代、この頃から小麦ふすまは、当時の人々に便秘予防にもなる事は知られていました。
小麦ふすまとは、小麦の外皮のことを言います。小麦ふすまには多くの不溶性食物繊維(100g中約50g含有)が含まれており、
ふすまのついたままパンにすると色、食感が損なわれる為、小麦粉とふすまをに分離し、白くて食感のパンを作っていました。
この事から、小麦ふすまは不要なカスとして考えられていました。
時代は変わり、1930年代のアメリカで保養所の所長を務めいていたケロッグ(コーンフレークの開発者)が小麦ふすまに関心を持ち、
便秘患者、大腸炎患者への影響を確認した事をはじめイギリス人のマッカリソン博士や、ウォーカー博士らにより
低脂肪・高繊維の小麦パン・豆・果物などを多く食べる民族は健康長寿である事をつきとめました。
また、イギリス バーキット博士は、アフリカに20年以上住み、アフリカの人たちを治療してきました。
そこで気づいたのは、アフリカの農民は大腸がんなどの大腸の病気が少ないことでした。
食事の内容を調べたところ、アフリカの農民は食物繊維をたっぷりとっていることがわかり『食物繊維の摂取量が少ないと
大腸ガン発生のリスクが高くなる』との仮説を発表し以来、急速に食物繊維への関心が高まり現在では、
からだに不可欠な第六の栄養素として 位置づけられています。
イメージで勘違いされやすい食物繊維
某食物繊維含有食品で、比較対照としてよくキャベツが引き合いに出されますがキャベツは100gあたり3.5g程度の
食物繊維しか含まず意外と少なく1食(約40g)分に換算するとわずか0.5g程度しか摂れません。
生野菜に含まれる食物繊維は少ないことがわかります。
日頃から、食物繊維を多く含む食品を把握して、意識的に食事をすると効率よく摂取する事が可能です。
※食物繊維に限らず、不足がちな栄養素は個人によって異なります。ご自身に足りていない栄養素を把握する事が、
健康維持の秘訣と言えるでしょう。
どれくらい摂ればよいの?
日常において食物繊維の必要な食事摂取量は年齢や性別により異なりますが目安としては、約20g~25gが理想とされています。
1950年頃までの日本人は1日20g以上の食物繊維を摂取していたといわれますが、現代人は食の欧米化に伴い
食物繊維の摂取量は平均約10g~13gと約半分しか摂れていません。
腸疾患(がん)の年次推移(独立行政法人国立がん研究センターがん情報センター参照)をみると1950年後半から
急激に直腸、結腸、大腸のがんが増えている事がみてとれます。
食品名 〔カッコ内は1食あたり標準使用量〕 |
1食あたり 食物繊維量(g) |
100gあたり 食物繊維量(g) |
---|---|---|
ライ麦パン 〔100g〕 | 5.21 | 5.2 |
ファイバーパン〔100g〕 | 3.96 | 4.0 |
ポップコーン 〔40g〕 | 3.88 | 9.7 |
干しそば〔20g〕 | 3.32 | 4.7 |
赤飯〔200g〕 | 3.13 | 1.6 |
玄米 〔100g〕 | 2.92 | 2.9 |
乾燥いんげん豆 〔20g〕 | 3.95 | 19.8 |
乾燥そら豆〔20g〕 | 3.91 | 19.5 |
納豆〔40g〕 | 3.84 | 9.6 |
おから 〔40g〕 | 3.77 | 9.4 |
きな粉〔20g〕 | 3.43 | 17.1 |
切り干し大根〔20g〕 | 3.58 | 17.9 |
日本かぼちゃ〔100g〕 | 2.99 | 3.0 |
さつまいも 〔100g〕 | 2.32 | 2.3 |
里いも〔70g〕 | 1.54 | 2.2 |
ふだんそう 〔100g〕 | 2.88 | 2.9 |
かんぴょう〔10g〕 | 2.58 | 25.8 |
たけのこ(ゆで)〔100g〕 | 2.27 | 2.3 |
ブロッコリー 〔100g〕 | 1.87 | 2.7 |
食物繊維とコレステロール
健康維持という観点でも、食物繊維には十分な効果が期待できる。便通改善と肥満予防のほかにも、
がん、高脂血症、心臓疾患などに対する効果が確認されている。なかでも注目されているのがコレステロールとの関係です。
コレステロールの摂り過ぎが原因とされる疾患はさまざまあり、現代人の食生活における大きな課題となっている。
食物繊維には血中コレステロールを減少させる作用があることが確認されており、これも食物繊維が
重要視されるようになった大きな理由のひとつである。
血しょう中の低比重リポたんぱく(LDL:悪玉コレステロール)は心臓血管系疾患の原因の一つといわれているが、
水溶性食物繊維にはこれを減少させる効果がある。高比重リポたんぱく(HDL:善玉コレステロール)は逆に心臓血管系疾患を
抑制する効果をもつが、こちらは食物繊維の摂取量に影響を受けることはないので、食物繊維の摂取は心臓血管系疾患の予防に効果があるといえる。
また、水溶性食物繊維には粘性があり、消化過程で分泌される胆汁酸と結びつきやすい。胆汁酸はコレステロールから合成されるため、
これがそのまま体外に排出されることによって体内のコレステロールを減少させることができる。
ウエイト・コントロール
食物繊維の働きの中でも、多くのダイエッターやスポーツ選手が関心を持つのはウエイト・コントロールへの効果です。
食物繊維が減量に有効とされるのは、いくつかの理由があります。
最も分かりやすいのは、食物繊維を摂ることで満腹感が得られるため、食事量を抑えるのが容易になるということだろう。
食物繊維は消化されず、もちろんエネルギーとはならない。したがって、カロリー摂取量が減少し、これが体重減少につながる。
食物繊維には体脂肪の合成を抑制する作用もある。通常、炭水化物を摂取すると血糖値が上昇し、これを下げるためにインシュリンが分泌され、
血糖を脂肪に変えて蓄積しようとする働きが起こってしまう。ところが炭水化物と同時に食物繊維を摂ると、炭水化物を吸収する速度が
遅くなり、血糖値の急激な上昇を防ぐことができる。したがってインシュリンの分泌量が抑えられ、脂肪合成もを抑制される。
食物繊維のインシュリン抑制作用は、糖尿病にも効果があると知られている。