ビタミンA、レチノール当量 / Vitamin A / Retinol

ビタミンA、レチノール当量とは

ビタミンAは、油脂に溶ける脂溶性ビタミンのひとつで、レチノール当量(μg)として表されます。これは動物性食品に含まれるレチノールの量と、主に植物性食品から摂取されるβ(ベータ)-カロテンなどのカロテノイドが体内でビタミンA作用をする場合の換算量との合計です。ビタミンA(レチノール当量)は次の式で算出します。

レチノール当量(μg)=
レチノール(μg)+1/12×β-カロテン当量(μg)

なお、少し前までビタミンAはビタミンA効力(単位はIU;アイユー)で表されていましたが、ビタミンA作用をする量であるレチノール当量(μg)で表されるようになりました。「ビタミンA効力 1IU=レチノール当量0.3μg」に相当します。

どんな働きがあるのですか

ビタミンAは、発育を促進したり、肌の健康を維持したり、暗いところでも目が慣れて見えるようになる機能(視覚の暗順応)に関わったり、さらにのどや鼻などの粘膜に働いて細菌から体を守ったりなど、たくさんの重要な役割を持っています。

どんな食品に多く含まれていますか

ビタミンAとして働く成分を多く含む食品は、レバー、うなぎ、バター、マーガリン、チーズ、卵、緑黄色野菜などです。また、国民健康・栄養調査結果からみると、私たち日本人は、ビタミンAのおよそ60%を緑黄色野菜からとっています。私たち日本人にとって緑黄色野菜はビタミンAの供給源としてとても重要なのです。

どれくらいとったらいいのですか

ビタミンAが不足すると、暗いところで目が見えなくなる“とり目”と呼ばれる欠乏症がおこることが知られています。現在の日本ではほとんどみられませんが、栄養状態がよくない発展途上国において、子どもたちが失明する重大な原因になっています。その他の不足の症状では、皮膚および粘膜の乾燥や角質化などが生じるため、細菌やウイルスに対する抵抗力が弱まって感染症にかかりやすくなります。   一方、とり過ぎによる過剰症では、肝臓に貯蔵されて肝障害などの副作用をおこすおそれがあります。普通の食事からはとり過ぎる心配はありませんが、サプリメントやビタミン剤を摂取する場合は使用法をきちんと守りましょう。特に、妊娠期または妊娠を希望する女性での過剰摂取は胎児への悪影響が報告されていることから、とり過ぎにならないように気をつけてください。