脂質 / Lipid
脂質とは
脂質には、なたね油、ごま油などのように常温で液体の「油」と、バター、マーガリンのように常温で固体の「脂」があります。
脂質の働き
脂質は体内で1gあたり9kcalとなり、三大栄養素のうち最も高いエネルギーになります。
脂質には体の中でつくることができない必須脂肪酸が含まれており、体の細胞膜の成分やホルモンの材料などになっています。
不足すると、発育の障害や、皮ふ炎の原因になったりします。
さらに、脂質は油脂に溶ける脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・Kなど)の吸収に役立っています。
脂質の摂取量
詳しくは年齢によって異なりますが、おおまかに成人で1日に必要なエネルギーの20~25%を脂質からとるのがよいといわれています。
これは1日2,000 kcal必要な人では、脂質およそ50gとなります。食生活の欧米化にともない脂質の摂取量や
摂取エネルギーに占める脂質の割合が増加しており、そのことがエネルギー過剰、肥満、生活習慣病の
原因になっていることが指摘されています。
現在、日本人全体の平均脂質摂取量は約25%であり、ほぼ適量であるといわれています。また、脂質を質の面からみた時も、
日本人が摂取する牛肉や豚肉などの動物性食品、植物性食品、魚類からとる各脂質の割合は、ほぼ望ましいバランスといわれています。
ただし、日本人全体でみれば、脂質のとり方は量・質ともにほぼ望ましい状況と考えられますが、これはあくまで平均した場合であり、
個人によっては30%を超えてとり過ぎている人もみられますので注意が必要です。
脂質をとり過ぎないために
脂質のとり過ぎは、ちょっとしたこころがけで改善できます。
私たちが食事から脂質をとる場合、意識すると便利な脂質の把握方法として、“調理や食べる時に使う油脂”と、
食品中の “素材に含まれる油脂”に分ける考え方があります。脂質を1日に50gとる場合“調理や食べる時に使う油脂”は、
15gほどが適量の目安です。
これは例えば、朝食のトースト用バター(うすくぬって1枚に5g)と、
昼食や夕食での油料理1食分(天ぷらやフライなど1人前に使用する油10g)を合計した量です。
いつもこれより多いという人はとり過ぎの可能性があります。次に、食品中の“素材に含まれる油脂”を
とり過ぎないようにするには、肉の脂身の多い部分や、高脂肪の乳製品をひかえるなどの配慮をしましょう。